今週末で８月が終わり、秋を迎える。ただ、今年は残暑が厳しく連日、暑い日が続き体調管理には注意してほしい▼９月１日は「防災の日」である。関東大震災を教訓に、国民の間に災害への心構えを持ってもらおうと１９６０年に制定された。82年からはこの日から１週間を防災週間として、全国で防災関連行事や避難訓練が行われる。いわき市でも各地の自主防災組織を中心に、住民らが身を守るための術を学ぶ▼「天災は忘れたころにやってくる」は、物理学者で随筆家の寺田虎彦の言葉だが、最近は忘れる前にやってくる。４年前に市内を襲った台風１９号はまだ記憶に新しい。後に、東日本台風と呼ばれ、平窪、赤井、好間では夏井川などが決壊し、広範囲にわたって床下、床上浸水に見舞われ、今も復旧工事が進められている▼東日本大震災同様、忘れてはならない災害だ。本格的な台風シーズンを前に、過去の災害を教訓に日ごろから備えだけはしておきたい。
片隅抄
