台風13号に関連した記録的大雨の被害で、臨時休校していた山田町の菊田小(梅原広校長、児童数394人)は13日、学校再開の日を迎えた。8日夜から9日早朝にかけて降り続いた豪雨により、同校の近くを流れる山田川から水があふれ、1年生の教室に当たる1階部分が床上浸水したほか、敷地内には多くの泥が流れ込んだ。
しかし教職員や保護者、地域住民に加え、近隣の校長ら200人以上の協力によって、泥かきなどの後片付けが進められ、校舎には再び子どもたちの元気な声が戻ってきた。
「おはよう。家は大丈夫だった?」。梅原校長は午前7時すぎから、水害の様子が色濃く残る山田川の堤防を歩いて登校し、校門をくぐる児童に声をかけていった。5日ぶりの学校とあって、笑顔で返事をしていた。
被害を受けた教室の一つ・1年2組でも、普段通りに朝の会が開かれた後、1時間目は国語の授業が行われた。吉田渚さん(7)は「先生から水が入った話を聞いて怖かった。たくさんの人の協力で、元通りの教室に戻ってうれしい」とはにかんだ。
学校再開を受けて、梅原校長は「まずはほっとしている。後片付けに多くの方が駆け付けてくれたが、まさにマンパワーのすごさを感じた。大変感謝している」と述べた上で、「これを機に防災意識をより高めるとともに、夜の雨に不安を感じている子もいるかもしれないので、心のケアにも取り組んでいく」と強調した。
ただ課題も残る。校庭には泥水が入ったため、子どもたちの健康を守る観点から、使用することができなくなった。梅原校長は市教委に対して、土の入れ替えを求めていくが、当面の間はうまく時間をやりくりしながら、どの学年も体育館で、体を動かせる機会を作っていく。
菊田小の再開により、いわき市の公立小・中で大雨に伴う臨時休校が続くのは、宮川の越水で被害を受けた宮小のみとなった。
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