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片隅抄

2023.10.05

「18歳の若者が、市外に流出する現状がある。子どもたちには郷土愛をはぐくみながら、『気付き』を持ってほしい」。二次電池の評価等を手がける「東洋システム」の庄司秀樹社長は重ねて強調した。傍らでは小学生が、燃料電池の魅力に触れる教室が行われていた▼2016年から始まった燃料電池教室は、トヨタ自動車、常磐共同ガス、ひまわり信用金庫が協力し、今年は9月30日と10月1日に開催された。ミニカー作りや、楽しみながら発電や水素タンクについて理解する場が設けられ、子どもたちの笑顔があふれていた▼原発事故によってエネルギーのあり方が一変し、カーボンニュートラルを踏まえて、水素社会の実現が近づいている。難しい理屈も大事だが、小さい時からの学びが不可欠と、取材を通じて感じた▼庄司社長は将来の展望として、いわき市に工科大を創設する構想を打ち上げる。その熱意によって、ふるさとに新たな景色が広がる日を期待する。

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