11日に富岡町で行われた「福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)」に関する法定協議会の帰り道、青い光線が夜空に昇る様子を見た▼東日本大震災による犠牲者の鎮魂と地域再生に願いを込めて、夜空にサーチライトを掲げる「光のモニュメント」だ。2017年から始まり、この日は富岡町の宝泉寺が会場で、能登半島地震の被災地にも思いを寄せた▼震災後にさまざまな分断や格差が生まれた中で、地域を一つにしようと、原町市(現南相馬市)に立っていた「原町無線塔」(1982年解体)を再現したのが始まり。この無線塔は関東大震災の一報を米国に打電し、世界に伝えたことでも知られている▼東日本大震災から間もなく13年を迎えるが、自然の驚異は記憶に残っている。石川・能登地方では、いまだに被害の全容がつかめていない。中学生の避難の報に、あのときを思い出す。一日も早く心休まる日が訪れてほしいと、優しく立ち上がる光に祈った。