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アクアマリン「縄文の里」開放へ 来年7月めど 自然散策して生き物観察

 ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は、開館25周年を迎える2025(令和7)年7月の供用開始を目標に、縄文時代の自然環境を再現した屋外展示施設「わくわく里山・縄文の里」の改修を打ち出した。
 施設のうち、山や渓流、滝、湿地などを設けた「里山エリア」を新たに開放し、散策しながら生き物の様子に触れられたり、ガイドツアーや体験プログラムを通じ、五感で自然を身近に感じられる場所に変えていく。
 わくわく里山・縄文の里は2015(平成27)年7月、開館15周年を記念して整備し、全館への導入部と位置付けた。
 人の生活と自然が調和していた3千年前以上の姿を、約200mのトンネル通路から眺める仕掛けで、海にとどまらず、流れ込む川や上流の山を一体的にとらえ、自然の循環や命の営みに思いをはせる狙いがある。
 施設の広さは約5千平方m。中央の里山エリア(約4350平方m)では、外から飛来する昆虫や水鳥に加え、季節の花々を目にできるが、来館した人が立ち入ることは許されていない。
 同館では現状に対して「教育効果や利用者の満足度が低い」と分析。古川健館長も「自然の中に入っていくだけが観察ではないが、お客さんのより『生き物を見たい』という要望に応える必要がある」と語る。
 このため里山エリアを開放し、浜通りの豊かな生態系を再現した里山の環境と景観を伝えつつ、自然に溶け込んだ生き物を観察できる空間にすると決めた。
 生き物の展示には、人工物は極力使用しない。小型のほ乳類や両生類・は虫類は、訪れた人が探し出せる工夫を施し、タヌキやアナグマといった中型のほ乳類には、独自性が高い手法を検討するという。
 親水デッキのほか、木登りや洞窟、動物の巣穴など自然を生かした構築物も設置する方針で、誰もが利用しやすい「ユニバーサルデザイン」の遊歩道も用意する。
 一連の取り組みに向けて、古川館長は「多くの方に親しんでもらえる施設になってほしい」と期待を込めた。
 設計業務に関しては、公募型プロポーザル方式で委託事業者を選定し、3月7日まで参加表明を受け付けている。
 (写真:現在は立ち入ることができない里山エリア=同館提供)

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