平下平窪の配水管改良工事を巡り、誤った設計単価で入札が行われながら、最低制限価格と一致していた件で、市は第三者委員会を立ち上げ、4月から有識者を交えた調査をする方針を固めた。内田市長が19日、定例の記者会見で発表した。また市は8日から18日にかけ、担当した職員から簡易の聞き取りをしたが、現時点で不正の事実は確認されていないという。
問題の入札は1月に実施された。予定価格5629万8千円で17者が応じ、最低制限価格の5070万7453円で落とされた。しかし本当の予定価格は5634万4千円で、最低制限価格は5077万31円となり、本来ならば他の業者が落札していた。
別の業者による情報開示請求によって問題が発覚し、2月29日付で契約は解除された。
設計担当者は、積算システムの単価等は毎月更新されるが、汚泥処理単価等については、見積もりにより手計算で算出・入力しており、入れる単価を前年度と誤ったと説明。落札した業者も、当該工事の汚泥処理等の単価は手計算が必要で、間違って前年度の資料を参考にしたと話している。
内田市長は「積算単価の入力ミスで、工事請負契約が解除になったことは問題。大変遺憾であり、関係者や市民の皆さまにおわび申し上げる」と陳謝した。その上で「積算単価が間違っていたにもかかわらず、最低制限価格が一致していたことは、不自然だとの指摘がある。しっかりと調査していきたい」と述べた。
最低制限価格を知り得た職員は17人で、8日からの聞き取りに際しては、業者とどのような打ち合わせをしたか、他の職員に関連する話をしたか、書類保管に問題はなかったかなどを尋ねた。
第三者委員会の発足に向けては弁護士などの有識者を念頭に、山田誠市水道事業管理者や、本庁の契約や法令順守にかかわる部署とも連携し、3月中に人選を図る。
(資料写真:いわき市水道局)
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