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能登半島地震から半年 小名浜消防署の新妻さん いわきから復興支援続ける

 地震に加え、津波、火災、液状化現象などと甚大な被害を与えた能登半島地震。1日で発生から半年となり、現地では仮設住宅の建設や倒壊家屋の公費解体が急ピッチで進められている一方で、一部地域ではいまも断水が続くなど、復旧・復興の遅れが指摘されている。
 被災地の現状や課題は、そして東日本大震災を経験したわたしたちだからこそできる支援は何なのか――。発生直後から定期的に被災地へ通い、献身的に復興支援活動を続ける小名浜消防署の新妻拓弥さん(33)=災害支援ネットワークIwaki=に聞いた。
 新妻さんは2011(平成23)年の東日本大震災で被災した経験を生かし、恩返しをしたいとの思いで消防職へ。重機の操作、危険業務への対応など職務で身に付けたスキルを生かし、災害支援に高い専門性を持つ「技術系災害ボランティア」として活動している。
 NPO団体「DRT―JAPAN」などの団体と連携し、1月から月1回ペースで現地へ。全国から集まったメンバーと支援に携わっている。直近では6月19日早朝にいわきを出発し、20、21の2日間、石川県珠洲市蛸島町で活動した。
 ――現在の被災地、大きく変化したところは
 ライフラインの復旧が進んでコンビニなども再開しているので、だいぶ活動しやすくなりました。また、倒壊家屋の公費解体の手続きが本格化しており、今後は被災直後のままだったまちの風景が大きく変わりそうです。倒壊家屋がそのままだったために水道管が修繕できないケースもあると聞いたので、今後はライフラインの復旧も加速しそうです。
 ――寄せられている要望はどういったものが多いか
 今回は「家のなかから貴重品を取り出してほしい」というニーズに応えてきました。内容はアルバムといった思い出の品や、美術品、骨とう品などさまざまです。解体間近になっている家が多いので「その前に」と考える方が多いのかもしれません。重機を使い大型の農機具の取り出しも行いました。
 ――被災者の暮らしぶりに変化はみられるか
 仮設住宅や隣県の親せき宅に身を寄せるなど新しい生活拠点を築いている方が多い印象です。ビニールハウスに住んでいた一家が物置を自宅に改修するというので、私たちも手伝いました。被災直後に比べて穏やかな表情も見られるようになったと思います。
 ――災害支援も長期戦になっていくが、今後必要とされていくことは
 現地はボランティアセンターを運営する社協職員も被災しており、常に人員不足だと聞きます。全国の自治体が継続的に職員派遣するなどの支援も必要だと思います。私たちの作業も一件の案件をこなすのに最低4~5人以上で数時間はかかります。人々の関心が薄れていくなかで、情報発信を続けていく必要性を感じています。
 (写真:現地で重機を操作する新妻さん)

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