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内郷・国宝白水阿弥陀堂 浄土庭園のハス再生へ一歩「かつての光景を」

 内郷白水町にある国宝・白水阿弥陀堂の浄土式庭園で数が激減していたハスが今秋、ほぼ復活した。かつて参拝客らに人気だったが、2021(令和3)年ごろから激減。水害による枯死や動物による食害が要因とみられているが特定できていない。
 庭園を所有・管理する市は内郷地区の5つの小学校と連携して育てたハスの苗を7月から定植し始め、市文化財サポーターが雑草を刈るなど環境を整備。根付いたハスは今夏、花を咲かせ、群生地の姿が再生しつつある。
 浄土式庭園の池東側。かつて水面を埋め尽くすように繁茂していたハスの光景がよみがえった。
 9月27日午後、長靴姿の市の職員やサポーターら8人が群生地近くで雑草の刈り取り作業に汗を流した。市の担当者は「地元小学生や市民団体、サポーターのみなさんのご協力でようやく復活しつつある」と手応えをつかんでいた。
 市によると、渇水期に根を掘り起こすイノシシや、特定外来生物のミシシッピアカミミガメ(通称・ミドリガメ)やアメリカザリガニによる食害、水害により一定期間、葉が水没したことによる枯死などが要因とみられているが、特定には至っていないという。
 市は池周辺にイノシシの侵入を防ぐ電気柵を設置し、カメの駆除にも着手するなど対策を始めた。昨年9月の大雨被害では近くの川が氾濫し、お堂や庭園が水没。池に大量の泥砂が流れ込んだため、池の水を抜き、泥砂を撤去したことで、池の中に生息していたカメの大半はいなくなったという。
 7月に始まった最初のハスの定植作業には、苗を育てた小学生約200人も参加。高坂小6年の渋谷百華さん(11)は「小さな芽がだんだん成長し、わたしの背丈より育った苗もある。写真でしか見たことがないが、かつてのような池を覆う花々の光景に戻ってほしい」と期待した。
 白水阿弥陀堂では11月2日から10日まで、恒例の「アミダナイト2024」を開く。今回のテーマは「蓮が誘う、天井への旅路」。かつて色彩豊かに描かれていた天井の宝相華をプロジェクションマッピングで極彩色に再現するほか、浄土庭園の紅葉を光で照らす。期間中、キッチンカーが並び、9、10日には芝生広場でマルシェも開く。
 拝観料は中学生以上千円、小学生500円、未就学児無料。拝観時間は午後5時~8時半(最終受付は同8時)。
 (写真:雑草の刈り取り作業に汗を流した参加者)

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