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衆院選の公示予定日まで1週間 福島4区 新人3人前哨戦繰り広げる
「15日公示-27日投開票」の日程が見込まれる衆院選は、8日で公示の予定日まで1週間となった。今回から区割りが変更され、いわき市を含む浜通り全体は福島4区になった中で、いずれも新人として、自民党は元県議の坂本竜太郎(44)=植田町=、立憲民主党は会社役員斎藤裕喜(45)=双葉郡富岡町=、共産党は党いわき・双葉地区委員長の熊谷智(44)=平下高久=が立候補を表明している。(敬称略)
自民は旧福島5区で8期務めている現職の元復興相・吉野正芳(76)の引退を待って、坂本が出馬表明した。立候補の動きは既定路線だったが、いわき市以外での体制作りは急務だった。
衆院議員だった父の故坂本剛二から引き継ぐ組織とともに、県議時代に培った同世代の支援者を核とする。地元県議は「いわき市では市議、県議と名前を書いていただいてきた。その他の地域でいかに浸透を図るか」と指摘する。相双地方に後援会を持つ自民参院議員の森雅子(60)も選挙戦を支える。
立憲の斎藤は知名度を高めるため、県連が主導しながら、連携する国民民主、社民両党や連合福島とともに、選挙区を丁寧に歩いている。いわき市小島町に生まれ、いまは富岡町に居を構えるとあって、それぞれを地盤にまずは名前を売っていく。特に新たに加わる南相馬市や相馬市、相馬郡は野党系が一定の支持を集める地域のため、旧1区の現職金子恵美(59)の支持層に働きかける。
選対関係者は「無党派層を含め、自民の政治とカネの問題に嫌気がさしている人たちを喚起していく」と意気込む。
共産の熊谷は旧5区で過去2回出馬しており、立候補の表明は3人の中で最も早い昨年5月だった。知名度と組織力を生かしつつ、政権批判票を取り込みたい考えだ。
ただ前回は野党統一候補として、吉野との一騎打ちに持ち込めたが、今回は野党が分かれて戦いに挑む。関係者は「仕方がないことだが、影響がないと言えばうそになる。今回から比例東北の定数も削減されたため、さらなる比例票の上積みとともに選挙戦を繰り広げる」と語る。熊谷も浜通りの各地で街宣活動を続けている。
(写真:立候補を表明している坂本、斎藤、熊谷氏=左から)