第103回全国高校サッカー選手権県大会(県サッカー協会など主催、県高体連共催)は2日、大会8日目を迎え、郡山市の仙台大学サッカーフィールド郡山(西部サッカー場)で準決勝2試合が行われた。
このうち第1試合では雨の中、23年ぶりに準決勝進出を果たした磐城が、大会4連覇を目指す第1シードの尚志と対戦。磐城は体を張ったプレーでよく守り、少ないチャンスからゴールを狙ったが、セットプレーなどから得点を許し、0―5で敗れた。
◇準決勝・第1試合
磐城 0(0-2 0-3)5 尚志
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準決勝まで勝ち残った4校の中で唯一の公立校・磐城の相手はU-18世代の最高峰、高円宮杯JFAプレミアリーグEASTで戦う尚志。今大会の優勝候補筆頭を相手に体を張って挑んだ。
小野隆志新監督を迎え、〝古豪復活〟をテーマにノーシードから勝ち上がってきた磐城。小野監督は「結果は0―5だが、ウチの持ち味の粘り強い守備と最後まで諦めずに攻める姿勢を見せることはできた」と選手たちをたたえた。
雨で水しぶきをあげながら転がるボールにスリッピーな芝のピッチ。尚志はロングボールを多用せず、自陣からでも細かくスピードに乗ったパスをつないで磐城の背後を狙った。磐城はどうしても引かざるを得ず、じつに前後半28本のシュートを浴びた。
準々決勝のPK戦で神がかりなセーブを見せたGK吉野里玖弥(3年)は、この日もファインセーブを連発、前半37分まで無失点でしのいだ。しかしコーナーキックからパスをつながれヘディングで初失点すると、1分後にはゴール前の混戦からこぼれ球を決められた。
「自分の100%を出して、止められるシュートは止めたから悔いはないけど、もう少し長くこのユニホームを着てプレーしたかった」と守護神は涙を流した。
箱﨑秀路主将(同)が「ボールに食らいつき、みんなで走ってつくった」数少ない攻撃のチャンスも、尚志の固い守備陣にボールを奪われてしまった。試合には敗れたが、箱﨑主将は「23年ぶりのベスト4という記録を残せたのは自分の中でも大きい」と振り返った。「1、2年生は僕たち以上の結果を残してくれると思う」と後輩たちに古豪復活の道を託した。
(写真:相手ゴール前でヘディングで競り合う磐城FW江尻<10>)
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