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正月版特集「昭和愛が止まらない」平下平窪・平島さん 旧車好き高じ専門店開業

 2025(令和7)年の幕が開けた。今年は、富国強兵、殖産興業を掲げ急速に近代化が進んだ明治、そして華やかな大衆文化が根付き始めた大正を経て迎えた「昭和」元年から100年の節目。いわき民報の正月版では、昭和にまつわるさまざまな話題を紹介する。
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 1960(昭和35)年からずっと昭和を楽しんでるよ――。平島隆義さん(64)=平下平窪=は趣味が高じて昨年、自身の誕生日に60~80年代の旧車(クラシックカー)を取り扱う専門店「Classic BASE」=電話(23)6006=を立ち上げた。
 自他ともに認める車好きで、4歳のとある日、自宅の近くで見た日野自動車の名車「コンテッサ1300」=64~67年生産=に「ズキュン」と恋に落ちた。車好きの少年はやがて免許を取り、「ハコスカ」でおなじみ3代目スカイラインの1800DXを父から譲り受ける。
 「本物の味」を知ったのは24歳の秋。貯金を貯め、中古のハコスカ2000GT‐Rを個人売買で手に入れた。九州から東京・有明までフェリーで運び、千葉の道路を運転していたとき、こう思った。「これはゴールじゃない、これからがスタートだ」。ここから、300台近く乗り継ぐ愛車遍歴が始まった。
 紆余曲折、さまざまな経験を重ねたが、転機となったのは東日本台風。定年を翌年に控えた10月、自宅には床上60cmほどの濁流が押し寄せた。貴重な愛車数台も廃車に。
 第二の人生は初めてのアメ車で、数年前に大病を患った妻希世美さん(53)と一緒に旅行をしようと納車を予定していたが、「それどころじゃない」とあきらめかけたとき、希世美さんが諭してくれた。「やりたいことをやらないと後悔するよ」
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 「父さん、俺、車屋をやるよ」。
 長男のいすゞさん(29)から相談があった。都内で看護師を務めていたが、起業に興味を持ち、一緒に事業を興すパートナーを募集したところ、あれよあれよと都内で車屋を立ち上げることになったという。血は争えない。長男の名は、いすゞ自動車の「ベレット」に由来する。
 一念発起し、昨年2月3日、息子の専門店のグループ会社という立ち位置で、会社を興した。名前は「Classic BASE」。唯一の旧車を扱う専門店で、これまでの自身の経験が生きている。立ち上げてまだ1年も経たないが、すでに全国から問い合わせが相次いでいる。
 ただ、売る相手は誰でもいいという訳ではない。「この年になると、改造した車よりオリジナルのほうが心にぐっとくるのよ。凄いよ、昭和のものづくり、職人は。いまの車と比べ物にならないほど細部にこだわりがある」
 昭和に生き、昭和とともに過ごす。「昭和の車の伝道師」は、きょうも平成、令和の若者に昭和の魅力を伝えている。
 (写真:平島さんの初恋の相手 日野「コンテッサ」)

PR:いわき市北部地域を中心に、児童養護施設、老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウスをはじめ、診療所とデイケア、デイサービス、居宅介護支援、訪問介護、訪問リハビリと多種多様な福祉、医療事業を展開。

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