いわき市ではキャリア教育推進事業を展開し、子どもたちにさまざまな学びの機会を提供している。このうち「生徒会サミット」では市内の中学生を対象に、他校の生徒との情報交換や対話を通じ、リーダーとしての資質や実践力を高め、生徒会活動の活性化を図っている。
25日には市総合教育センターで、全国的に話題となっている「校則」について取り上げたワークショップを行った。
今回の生徒会サミットには、市内11校から主に生徒会役員の生徒22人が参加。地域づくりが専門の福島大・千葉偉才也特任准教授を講師に招き、同大の学生とともに議論を深めた。
校則を巡っては不合理な内容が含まれているとの指摘から、全国的に見直しの動きが進んでいる。
文部科学省の調査によると、2019(令和元)年度以降、無作為抽出した公立中・高の800校のうち、91・1%が校則を見直した。主な内容(複数回答)としては、服装が89・7%、頭髪・化粧が62・5%、スマートフォンやカバンなどの持ち物が36・1%だった。
ただワークショップでは単に校則の是非を問うのではなく、生徒に加え、教師や保護者、地域住民の立場からそのあり方を考えた。なぜ規定されているのか、外部の人にどう見えるのか――など、多角的な視点で意見を出し合った。
また制服・ジャージーでの登校一つとっても、各校によって差異があるため、学生を交えながら大いに盛り上がった。
生徒たちは話し合いを踏まえ、校則をデザインすることに挑戦。「(教科書を学校に置いて登下校する)置き勉はテスト2週間前までは自由」といった普段の生活を反映した考えや、よりよい生活を送るために「誰かに会ったら、必ず笑顔であいさつする」という理念などが披露された。
さらに自主性を尊重する「まずは1人ひとりのやりたいことをやってみる」や、「年に1回、校則の改定に対する意見を集め、それを生徒会でまとめる」などの取り組みも示された。
ワークショップでの出会いを踏まえ、参加した生徒は新たな気付きを得ており、自分たちの学校に還元しようと真剣なまなざしだった。
(写真:校則をテーマにした生徒会サミット)
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校則を多角的視点で考える いわき市の中学生 キャリア教育の一環で







