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いわき市に国連交えた枠組み 災害からの回復テーマに 東日本国際大に新コースも
いわき市に2024(令和6)年12月、国連の人材育成機関として、日本に初めて設置された「国連ユニタールCIFAL(シファール)ジャパン国際研修センター」を巡り、災害レジリエンス(回復力)をテーマにした研修の環境「いわき国際防災戦略プラットフォーム」が立ち上がった。
東日本大震災・東京電力福島第一原発から復興してきた経験をもとに、国際的な教育プログラムを展開していく。この動きに合わせ、早ければ来年4月にも東日本国際大の経済経営学部に「防災危機管理コース」を設置し、学生に対する講義とともに、一般市民にも知見を広める機会を設ける。
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プラットフォーム発足にあたり、市と関係機関による協定締結式が27日、市役所本庁舎で行われた。
協定締結式にはシファールの共同開設者として、内田市長と、東日本国際大を運営する学校法人昌平黌の緑川浩司理事長に加え、複合災害対策に関する知識を普及し、危機管理体制の意識高揚を図る「日本CBRNE(シーバーン)学会」から石井正三理事長が出席した。
主な活動としては、若い世代に対する防災教育と、防災専門人材育成を推進。防災にまつわる政策提言を予定するほか、いわき市の経験を踏まえた「(仮称)防災戦略いわきモデル」の構築も検討する。
内田市長は締結にあたり、27日まで発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」における市の取り組みとして、多言語による情報発信や、生成AI(人工知能)を使った平易な呼びかけなどを紹介した。
その上で「いわきに住んでいれば『逃げ遅れゼロ・災害死ゼロ』が実現できるまちづくりを進めており、新たなプラットフォームはそれらを支える人づくりにつながる」と指摘。官民で進める防災庁の地方機関誘致にも効果を発揮すると語った。
緑川理事長は「震災から15年、地震・津波・原子力災害・風評被害の四重苦を乗り越えた中で、プラットフォームは歴史的な枠組み。いわきにしか出来ない事業として、優れた人材を地域に輩出していく」と強調。防災危機管理コースの構想を明らかにし、積極的に地元に還元する姿勢を示した。
石井理事長は「原子力災害を含めた被災を克服し、避難者を受け入れた経験は世界でもいわき市しかなく、海外の首脳からも注目されている」と述べ、さまざまな有識者を抱える日本CBRNE学会のノウハウを重ね合わせる意向を伝えた。
(写真:協定書を交わす緑川理事長、内田市長、石井理事長)