7日にいわき市鹿島町の市道アンダーパスが冠水し、進入した車両が水没して60代女性が死亡した事故。小名浜消防署の塩井慶太さん(38)、上遠野悠さん(28)がいわき民報社などの取材に応じ、困難な環境の上に近接する矢田川が氾濫する危険を抱え、緊迫した状況で活動に当たったことが分かった。
通報があったのは7日午前7時47分。通行人から「アンダーパス内に車両が水没して止まっている」とする内容の連絡があり、常磐や小名浜の消防署から隊員が急行。水没した車両は2台で、うち1台の40代女性は助かった。
現場は県道江名・常磐線の下をくぐる「米田アンダーボックス」。通報当時は車両の屋根が見えていたが、みるみる水かさが増えていき、30分強で水面から確認できなくなった。
午前8時33分、潜水士である塩井さんの指示のもと、先着の隊員と連携して車両の位置を確認。上遠野さんら3人のダイバーが冠水したアンダーパスに潜った。視界は伸ばした手が見えない程度の約30cmほどで、水流に邪魔をされることから、3人で壁から横並びにロープを持った。
潜っている間にも水位は上昇。ようやく車両に到達すると、後部座席に取り残されている女性を発見して助け出した。活動の間にもアンダーパスの水位は1m上がり、矢田川は氾濫の恐れまで残り50cmだった。
残念ながら救出された女性は搬送先の病院で死亡が確認された。

全国的に大雨が頻発しており、塩井さんは「生活道路でも、冠水の危険がある場合はう回してほしい。万が一の際には119番通報を」と呼びかける。上遠野さんは「水没するとタイヤが空転して動かなくなるが、その段階で脱出を試みればドアは開く。避難行動を速やかに取ってほしい」と語った。
(写真:冠水したアンダーパスに潜って捜索する隊員〈市消防本部提供〉、当時の状況について説明する塩井さん=右=と上遠野さん)





