平成10年に「校歌のふるさと」という連載をした。市内の小学校を回って、校舎が置かれた海・山・まちの風土に触れ、校歌の歌詞に込められた郷土愛や歴史、子どもたちへの慈みに触れてみたいと思って▼新設校や統合によってできた学校の校歌はもちろん今風だが、旧三阪小(草野比佐男作詞)や郷ケ丘小(谷川俊太郎作詞)のように、校名がなかったり、古くとも旧来の七五調の歌詞ではない自由律詩といえるような、子どもたち自身が歌って楽しい校歌もある▼ところが、いまだに大人でも難解な歌詞のままの校歌が残っている。子どもたちは果たして意味がわかって歌っているのだろうかと思う以前に、時代錯誤ではと首をかしげてしまうほどだ▼古い伝統が大切なのと同様に、今の時代に適応した感覚、未来に向けた変革もまた大切ではないか。誰のための校歌なのだろう。「新しい校歌をつくることにした!」。なんて新鮮。子どもたちは目を輝かすに違いない。