取材した男性の名刺に「応急仮設住宅連絡員」という肩書に加え、住所末尾に「福島1F10km圏内」の文字が印刷されていた▼福島1Fをあらためて確認してみると、福島第1原子力発電所の意味という。先の大震災による不測の事故で、彼を含むほとんどの住民が住み慣れた双葉郡富岡町から泉玉露の仮設住宅に移り、避難生活を送っている▼建設当初、同住宅付近にはJR泉駅、スーパー、医療施設などが立地することから他の仮設住宅に比べて便利だろうと思っていたことが、実に浅はかであった。土地を離れる無念さに思いを深くしなければならない▼同じ双葉郡双葉町の人たちは南台の仮設住宅にいる。その富岡、双葉両町の有志が5月5日に開かれる「第34回植田町本町通り歩行者天国」にブースを開設する。飲食物の販売と交流カフェが予定されているが、浪江町出身者もB級グルメで有名な「浪江焼きそば」コーナーを出店する。大勢の来場者を期待したい。