オリンピックの興奮冷めやらぬロンドンで今度は、障がい者によるパラリンピックが幕を開けた▼いわき出身者では車いすバスケットで豊島英さん、視覚障害の柔道では半谷静香さんが出場した。オリンピックのときと同じ名前の競技でも、パラリンピックのそれはルールが異なる中で、両選手は存分に戦った▼バスケットは車いす同士が激突して転倒するのは当たり前だし、柔道は最初から組み合うので、オリンピックのときのような、お互いに相手の組み手を振り払うばかりのしらけた場面がない。独特のルールを知れば、さらに面白さがわかるはずだ▼平成7年のふくしま国体後、本県で全国身体障害者スポーツ大会が開かれた。これがきっかけで体が不自由でも楽しめるスポーツがあることが浸透した。2人もそうした土壌の中でスポーツと出合い、生きがいを見いだした。パラリンピックで戦う姿が他の障がい者たちに希望を与えるきっかけになることを祈りたい。