3月25日午前0時の避難指示区域の見直しに伴う立ち入り制限一部解除で9日、双葉郡富岡町に行ってきた▼国道6号のバリケードが取り外されるたびに広野、楢葉と北上して町の様子を見てきたが、そのたびほとんどひと気のない街並み、津波に襲われて手つかずの家屋、雑草に覆われた田畑や線路などの光景にあ然とした▼富岡町の場合も同様だが、午前9時から午後3時まで立ち入りできるのは中心市街地の一部で、町北部のバリケードが外されて福島第一原発がある大熊町との境界まで行けるのは、いつになるのだろうと思う▼目に留まったのは駅舎が跡形もなくなっていた富岡駅、市街地のど真ん中に立つ原発をPRする東電のエネルギー館、豪華すぎるほどの町役場庁舎、芝生がきれいなサッカー場、そして満開に近い桜。有名な夜ノ森の桜のトンネルはバリケードの向こう側だが、富岡二中前の道路にはそれに負けないほどの桜並木があってホッとさせられた。