市石炭・化石館敷地内にあるSL車両が、平の松ケ岡公園下の線路沿いにあったことを覚えている市民はいるだろうか。同館が昭和59年に開館したのに合わせ、現在地に移った▼それより前、電車通学で泉~平駅間を利用していた。毎朝、平駅を前に減速する列車の窓から、かのSLを見ていた。ハイな日もブルーな日も、とにかくSLが目に入ると「さて、学校だ」とスイッチが入った▼そして何より、線路わきにあるSLの姿が、駅の近くの街になじんで、とても美しい景観だったと思うのである。列車から見ても、公園わきに立ちSLの後ろを走る列車を見るのも趣があった▼街の景観のよさが治安の安定につながるといわれるが、最近のいわきはどうだろう。年2回、市民総ぐるみで美化運動を展開中だが、このところ何となく手が届いてないところが目に付く。運動後にも草が伸び放題の沿道も多く、ボランティア頼りではない、行政の取り組みが必要な気がした。
片隅抄