「第1回いわきサンシャインマラソン」が明日に迫った。県内外から数多くの市民ランナーが参加する。遠来の客たちを温かく迎えるようなマラソン日和であってほしい▼アクアマリンパークや鹿島街道、港湾道路、あるいは永崎の海岸べりでマラソンに備えて試走する人たちの姿をよく見かけた。ふくしま国体が障がい者スポーツやニュースポーツの底辺拡大に寄与したように、今回のマラソンが「走ること」の大切さを喚起するきっかけになればと思うが、完走にこだわるあまり無理はしないでほしい▼戦前の名マラソンランナー金栗四三選手は1912年のストックホルム五輪のレース中に意識を失い、途中棄権となった。しかしスウェーデンの五輪委員会が1967年に開いた五輪開催55周年記念式典で金栗さんを招待し、懐かしい競技場で少し走ってもらいゴールテープ切らせる粋な計らいを見せた▼記録は54年と8カ月5時間32分20秒。そんなマラソンもあるのだ。
片隅抄