11日に発生した東北地方太平洋沖地震。地震に伴う津波により、太平洋側の東日本全体に甚大な被害をもたらした。本県やいわき市でも、沿岸部を中心に家が流されるなどの被害を受け、現在も約3000人が避難所生活を強いられている▼福島第一原子力発電所の事故による放射能漏れが発生。いわき市の一部が第一原発から20~30㌔の屋内退避圏内に入ったことで、いわき全体が放射能汚染にさらされているような印象を全国に与えた▼「風評」。広辞苑によると、「(ある人についての)世間の評判。うわさ。とりざた。風説」とある。いわきは今、この風評に苦しめられている。ガソリンや生活物資などがいわきに入ってこないなど、地震、津波に原発事故による風評を加えた〝三重苦〟に悩まされている▼県の環境放射能モニタリング測定値でも健康に直接被害が出るような値ではないという。いわきで生活している人間がいわきの安全性を発信していかなければ。
片隅抄