市役所や公民館に、原発事故でいわき市へ避難している被災者を中傷する落書きが見つかったのに続いて、今度は仮設住宅に駐車してあった車が壊されたり、ペンキをかけられる事件が起きた▼週刊誌では、避難住民の暮らしぶりを興味本位に書き立てている。事件は多額の賠償金や見舞金を手にしたり優遇措置を受ける避難住民への嫌がらせと見られるが、犯人の真意はどうなのだろう▼震災から間もなく2年。復興はまだまだこれからだが、ある程度生活が落ち着いて、今まで見えてなかった部分が表面化してきたのだろう▼いわきもさまざまな形で原発事故の影響を受けているし、同じ不自由な避難生活を余儀なくされている津波被害者の補償への不満もある。当の原発事故の避難住民側にも言い分はあるだろう。小さなトラブルも起きていると聞くが、避難生活がこれからも長く続くことを思えば、意識のズレという根深い問題がこれからどうなっていくのか心配だ。