第85回選抜高校野球大会に「21世紀枠」で出場したいわき海星高校。大会2日目の1回戦で遠軽高校(北海道)と対戦。善戦むなしく0―3で敗れた▼試合後、坂本啓真主将は本社インタビューに「試合には負けてしまい悔しいが、甲子園は楽しめた」と答えていた。負けたことは残念だが、グランドの選手もスタンドで応援した生徒も、素晴らしい青春の思い出をつくったことだろう▼大会はまだ続いているが、いわきの高校は夏の甲子園に向けてスタートしている。長年中通りの私学4強と言われ続けている福島県だが、公立でも、チャンスを生かす気持ちを強く持てば可能性は広がる。海星の甲子園出場はそれを裏付けるものだった▼気は早いが、6月には甲子園出場をかけた、県大会の前哨戦と位置づけられている「本社旗争奪高校野球大会」が始まる。いわきの球児には海星に続けとばかりに志高く練習を続け、勝利の笑顔を甲子園の大舞台で見せてほしいものだ。
片隅抄