三寒四温を繰り返しながら、春が巡ってきた。ソメイヨシノの開花に先立ち、佐糠町の常磐共同火力勿来発電所地内の火力グラウンドに咲く河津桜は満開の態だ▼本来なら数輪の花が確認される今月第2週ごろには、同発電所主催の第5回「河津桜まつり」が催されたことだろう。小規模ながら、来場者に温かい飲み物を提供した心づくしのもてなしを思い出す。残念ながら震災年から中断している▼以前、平でも子鍬倉神社下の民家に植えられている早咲きの桜が紙面を飾ったことがあった。水脈が良いのか日照に恵まれているのかと、その都度思ったものだが先日、付近を通ったところ民家は更地になっていた▼次の楽しみは田人町旅人にある市指定保存樹林「石割桜」の開花だ。文字通り、大石の間から太い幹が伸び、周囲に枝を張る開花時の姿は壮観そのもの。昨年は4月末の遅い満開になったが、温暖な気候が続けば早まるだろう。チェックは怠れない。
片隅抄