今の時期は、二十四節気でいえば立冬(7日)と小雪(22日)の間に当たる▼このあと12月に入って7日に大雪、22日に冬至を迎えて新年に入るわけだ。二十四節気――。四季のある日本で昔の人は季節の移り変わりに敏感だった。それらの変化は穀雨、清明、芒種、白露など美しい言葉で表現されている。それはたぶん農耕民族にとって季節の変化は命につながることだったからだろう▼そして現在。まだ11月中旬だというのに、スーパーではクリスマスブーツが積み上げられ、さまざまな種類のお歳暮用品が売り場の多くを占め、いまでもスイカやイチゴを買うことができる。年賀状の販売……も、とうの昔に始まっている。あと1週間もすれば正月気分満載のファッション雑誌1月号が登場する▼世の中がさまざまな面で便利になったのはいいが、その半面、商戦の前倒しで季節感が失われているのがさみしい。子供たちは季節感の喪失にどれだけ気づいてるだろうか。