自転車に乗ったおじさんが、荷台に紙芝居と水あめが入った箱を積んでやって来て「紙芝居」を披露する。子どもたちは水あめをなめなめ、おじさんが名調子で語る物語の世界に引き込まれていく▼まだビデオやDVDのアニメがなかったころ、子どもたちは紙芝居に夢中になった。しかし、紙芝居はすたれることなく独特の文化をデジタル時代の今に伝えている▼ゲンバクを投下された広島のボランティアがゲンパツで苦しむ福島県などのために民話や偉人伝、復興のエピソードを〝まち物語〟として紙芝居に残す100本化プロジェクトが間もなく100話に達する。最近も「いわき湯本温泉物語」と「アクアマリンふくしま復興物語・126日の奇跡」が完成した▼いわきゆかりの紙芝居もたくさん作ってもらい、すでに各地で上演され好評を得ている。DVDとは違った人のぬくもりが感じられる紙芝居を通じて、ふるさといわきの物語に浸ってみるのもいいものだ。