報道部に時折、苦情や問い合わせの電話が来る。相手が匿名希望の場合はろくなことはない。先日の電話は千葉県在住の匿名さんからだった▼「震災から3年たつけど、今のいわきって放射線はどうなの? 住んでて大丈夫なの? 風評被害払しょくって言うけどさ、いわきのものを食べさせて、それで僕らがどうにかなったら誰が責任とってくれるの? 第一、大丈夫っていう根拠は何?」▼農業や漁業を中心に風評被害を払しょくするため死にもの狂いになっている人たちのことを思いながら、受話器を持つ手がわなわな震えた。「そんなに知りたいのならいわきに来い。そして自分の目で耳で判断すればいい。責任? ばか言っちゃいけない。食べる食べないは自分の責任で判断することだろう」▼この3年間、避難せずいわきにかじりついている。元通りではなく、震災前より素晴らしいふるさとになるよう頑張りたい。3・11はそんな決意を新たにする日だと思う。