先日、自分と同姓同名の男性が喪主を務める葬儀案内が紙上に載った。父親が亡くなられたようだが、この件でお付き合いのある企業の方から「もしかして…」と問い合わせがあった▼私事ながら実父は3年前に死んでいるため、該当しない。遠回しに照会された担当氏、自社と関連する人たちの慶弔事を把握する立場にある。東日本大震災後、いわきに戻られ、当時を知らなかっただけのこと。逆に気に留めていただき恐縮した▼本日11日は、いわき市南西部を襲った直下型地震の発生日。特に被害の大きかった田人町石住地区では、土砂崩れで家屋が倒壊し3人が犠牲、さらに県道いわき・石川線でも、車ごと埋もれた男性が亡くなった▼1カ月前の大震災日とともにクローズアップされる11日。生者は時に震災の風化を憂い何かをしたがるが、遺族の心情を思うと「そっとする」ことも必要。家屋倒壊で愛娘を失った父親の無念、悲嘆の表情が忘れられない。