平成7年1月17日の阪神・淡路大震災発生からあすで20年。関西地方の出来事とはいえ、東日本大震災を体験したこちらにとっても、地震災害の脅威は忘れることはできない▼さらにこの年の3月にはもう1つの悪夢が起きている。朝のラッシュでごった返す都心に猛毒をばらまき、多数の死傷者を出した地下鉄サリン事件。宗教集団オウム真理教の妄信的一団が引き起こした国内最悪の無差別テロである▼もちろん伏線はある。弁護士一家失踪、松本市でのサリン散布など、教団がかかわったとされる事件がすでに起きていたのだが、なんら対策をとれないまま惨劇を許してしまった。その後、教祖の家族がいわき市内に移り住み混乱を招いたこともある▼自然災害には体験で得た知識、備えで対応できるが、一度信じ切った人間の深層心理までは他者が踏み込み理解することは難しい。言論封殺に対する欧州文明の厚みがどう戦うか、見守り考えなくてはならない。