本社裏手は平字旧城跡、いわゆる「お城山」。春が到来、遠目にもほころんだ桜のピンク色が目に入る。1日から始まった「磐城平城本丸跡地一般公開」もこれから盛り上がるだろう▼幕末来日した外国人カメラマンが撮った写真を着色加工した記録本を見たことがあるが、ある城の堀などはよどみ、どぶ池のようだった。平城周辺も堀に囲まれていたが、その後明治の世になり町民が埋め立て所有地にしたという▼明治維新という新生日本の原動力といわれる薩長土肥のヒーローがいる。熱を入れる人もいるが、個人的にはさほど興味はない。というのも征討の末の平城落城が根底にあるのかもしれない▼最近、平商業高教諭の上妻又四郎さんが『磐城三藩の戊辰戦争』を出版した。約15年かけた労作は奥羽列藩同盟の盟主仙台藩の戦略なき対応に巻き込まれた磐城平、泉、湯長谷3藩の動向から参戦、敗北までをつづる。専門的内容だが一読試みるつもりだ。