振り込め詐欺などのなりすまし詐欺が続発している。高齢者を標的に多額の金をだまし取る悪質な犯罪だ。昨年、県内では111件が発生、被害金額は4億7079万円に及んだ▼なりすまし詐欺への注意を喚起する高齢者教室を取材した。講話によると、被害者のほとんどは「自分は大丈夫と思っていた人」。またそれゆえ、犯罪者のウソを疑わず、誰にも相談せず―それが被害につながったケースが多いようだ▼高齢でなくても、日々老いの道を歩んでいるわれわれは、日常のふとした時に、以前との体の変化に気づくことがある。それは脳も同じなのだが、こちらは体に比べて気づきにくいのかもしれない▼それうそかも?―これは、福島県警が振り込め詐欺の被害防止運動で掲げているキャッチフレーズだ。「そうだんする」「れんらくする」「うのみにしない」など6つの言葉の頭文字からなる。被害に遭わないために、予想外の電話はまず怪しむことから始めよう。