7月末に厚労省が発表した2014年の日本の平均寿命は、男性80・50歳、女性86・83歳。女性は3年連続の世界一だ▼ところで、平均寿命はその年に生まれた人が(社会情勢などに大きな変化がない限り)何歳まで生きられるかを示したものである。つまり、0歳児の平均余命(あと何年生きられるか)を意味し、2014年に死亡した女性の平均年齢が86・83歳というわけではない▼ちなみに、2014年時点で80歳の女性の平均余命は、11・71年とのこと。現代社会において、11年後といえば1つ先の時代になる。ということは、80歳でさえ、未来に向け、その間の社会情勢の変化に対応し、どう生きるかを常に考えていかねばならないわけだ。「のんびり余生を」などと言っていられそうにない▼こんな中、少子化も進み、真剣に〝終活〟に取り組む高齢者が増えていると聞く。見送られ方まで自分で考えないといけない時代に、少し不安を感じてしまうのは自分だけだろうか。
片隅抄