衆院で強行採決した安全保障関連法案をめぐり、国民の意見が分かれる中、15日に70回目の終戦の日を迎える▼終戦を題材にした映画はこれまで何本も作られている。中でも67年に公開された岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」は有名なところ。今夏は、戦後70年の節目の年ということもあって、原田真人監督が同名タイトルで再映画化。公開前から話題を呼んでいた▼本土決戦を主張し、クーデターを計画する若手将校。昭和天皇を前に開かれた御前会議の中で行われる、降伏か本土決戦かの決断。日本の未来を守るため命をかける人々の「戦いをやめるための闘い」が大きな見どころになっている▼戦後日本は、憲法9条の下、戦争の放棄、恒久平和を世界に向かってアピールしてきた。ところがここにきて安倍政権は、国民の多くが反対する安保関連法案を数の力で押し切ろうとしている。御前会議に出席した当時の首脳らは今のありさまをどう見ているのだろうか。
片隅抄