徳川の世になって長くいわきの地を治めていた岩城氏が改易され、新たに藩主となった秋田・亀田藩ゆかりの岩城町(現由利本荘市岩城)にはお城が3つもある▼陣屋形式の亀田城に、観光施設となっている天守閣をもった三層の天鷺城、そして特産のワインを製造販売する天鷺ワイン城。以前、いわき市と親子のきずなをもつこの小さな町を訪ねてお城を見たときにはあ然とした▼史実と関係ない天守閣付きのお城はどうかと思うが、3つの城を見比べながら「お城って、こんな簡単に造れちゃうわけ?」と思った。磐城平藩主・内藤氏が転封された兄弟都市の宮崎県延岡市にも延岡藩時代の立派な石垣をもつ天守台や大手門などがあり、市内を一望できる市民の公園になっている▼平の磐城平城本丸跡で10月に城復元「一夜城」イベントが開かれる。木下藤吉郎(豊臣秀吉)伝説の「墨俣城の一夜城」にどこまで迫れるか、平成の藤吉郎たちの意気込みに期待をしたい。