この時期、全国各地で熊の目撃や、襲われての事故の報道が例年になく多い。市内では生息が確認されていないが、福島や会津では、住宅地のすぐそばでの目撃情報もある▼そんな報道を受けて思い出したことがある。もう50年近く前の小学生の時、家族旅行で北海道に行った時の事だ。「熊に襲われた」等のニュースが頻繁にテレビで報道されていたのだ。最もニュースはそれだけではないのだが、「怖い」という恐怖心で、そのことだけが印象に残っている▼山間部のみならず住宅地付近まで熊が出没するようになったのには、生息地域での餌不足や、乱開発等があげられるが、農村部の高齢化によって農地の整備ができず荒れ放題の土地に、そこが人里だと熊が認識できないという面白い見方もある▼人間の生活や、生命の危険回避のため駆除するのは仕方ない。ただ、急場しのぎにすぎず、根本の解決にはならない。生息地域での活動の規制など、共存の道を探るべきだ。