本紙では現在、月1回程度、「昔のいわき今のいわき」欄を展開している。市内各地の風景や建物、行事などに関し、今と昔の写真を対比させ、まちの移り変わりをたどるものだが、写真や原稿は読者から寄せられたもので構成され、十数年続いている▼その欄に何度も寄稿いただいたのが、小川町の国府田英二さん(92)だ。昭和30年代に小川町公民館に在職、そのころ撮った小川のさまざまな写真と当時の様子を記した文章に加え、今の状況も撮影し、今春まで、その都度社に届けてくれた▼その数何と82話分。国府田さんは先日、この連載等を『昔のおがわ今のおがわ』として冊子にまとめた。1冊になると、駅や学校、工場といった地域の人々の生活の場や、年中行事等がどう変遷してきたのかがよく分かる▼そして、今昔の写真と自らの体験を踏まえた文章には、地元とともに生きてきた国府田さんの愛があふれている。小川にとって、大切な宝となる冊子といえる。
片隅抄