娘が初めて小野町の「リカちゃんキャッスル」に行ったのは2歳のときだ▼車を降りるとシンデレラ城のような建物を見上げながら夢中で駆け出し、ショップではどのリカちゃんにしようか目を輝かせていた。館内に足を踏み入れると少女は誰もが夢を見る。そしてママも、もしかしたらおばあちゃんも、リカちゃん人形を手にした幼かったあのころを思い出すかもしれない▼町の図書館にはリカちゃんのコーナーがあり、関連の本も充実している。〝生みの親〟佐藤安太さんの言葉がある。「夢をもって一生懸命頑張れば、いつかきっとその夢は叶えられるのではないでしょうか。私はこの『リカちゃんキャッスル』をつくることで、そのことを子どもたちに伝えたかったのです」▼三和町には今も佐藤さんの生家が残っているが、いわき市がその偉業をどれだけ顕彰したかを思うと情けない。しかるべき施設で、佐藤さんが子どもたちに与えようとした夢を紹介すべきだ。