低視聴率などと揶揄されながら毎週見ている、NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(はなし)~」。物語は後半に差し掛かり、いよいよ東京開催が2年後に迫ってきた▼実現に見通しが立つと、さまざまな人間が登場し、組織委員会をかき回す様子が面白い。その白眉は川島正次郎。「政界は一寸先は闇」の名言で知られる元自民党副総裁で寝業師の異名を持つ人物▼「あの人にとって、オリンピック担当大臣なんて、数あるコレクションの一つにすぎない」。あの剛腕河野一郎でさえ、舌を巻くしたたかさだ。その一つに五輪開催時には、日本プロレスリングコミッショナーにも就いている▼総理・総裁については語られることも多いが、ナンバー2に関しては意外に少ない。さて、きょう安倍首相の通算在任日数が2886日と最長タイに並んだ。大叔父佐藤栄作首相も長期政権を築いたが、次を狙い布石を打ったのも側近の川島だった。