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片隅抄

2020.2.15

第24回ユネスコ作文(いわきユネスコ協会主催)の入賞作を収録した文集に市議会議長賞を受賞した松田幸咲さん(上遠野小)の「いわきの文化を守るために」という作品がある▼市内で唯一、自分のふるさと遠野で受け継がれている「遠野和紙」の伝統を守り、多くの人に知ってもらうことの大切さを訴えている。かつてはその製作技術が市の無形文化財となっていたが、瀬谷安雄翁亡きあとは用具のみが有形民俗文化財となった▼松田さんは、職人なら1日100枚の和紙を作れるが、普通の人は30枚しか作れないとしたうえで、1人が職人になるまで長い時間かけるより、普通の人が4人いた方がたくさんの和紙ができるし、大勢の方が伝統を広げられる、と書いた▼市内では遠野オートキャンプ場で紙漉(す)き体験、市暮らしの伝承郷でも遠野和紙作り体験が地道に行われている。遠野和紙でつくった卒業証書を手にする地元の子どもたちの声を、将来に生かさねばならない。

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