今年もあすまで、いわき総合図書館で手作り絵本展が開かれている。小学生から一般まで幅広い世代から寄せられた、世界にたった1冊だけの作品が並んでいる▼新型コロナの影響もあって例年より出品点数は減ったが、常連となっている勿来町の『おばあちゃん絵本作家』斎藤ミヨ子さんの作品が今年もあった。御年87歳▼初孫が生まれたのをきっかけに、かわいい孫が主人公の絵本を作ったのが始まりで、家の庭にやって来るスズメや子どものころの思い出、戦争や大震災などの実話を題材にしたものにオリジナルの物語を加えた絵本は150冊ほどになる▼水彩画やクレヨンだけでなく立体の仕掛け絵本や切り絵、ちぎり絵、時には点字にしたりと読み手のことを考えた工夫が込められている。その創造力の豊かさに頭が下がる。何より自分が主人公の絵本を贈られた斎藤さんの4人のお孫さんたちの何と幸せなことか。斎藤さん自身の人生が凝縮されている絵本といえよう。