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片隅抄

2021.1.30

奈良市から、今年8月に開かれる「第46回わたぼうし音楽祭」作品募集のお知らせが届いた▼『障がいのある人たちが書く詩には、私たちが失いがちな<生きる強さ><心のやさしさ><いのちの尊さ>があふれている』と音楽祭を主催する奈良たんぽぽの会は言う。心身に障がいをもっている人が書いた詩に健常者が曲をつけ、一緒にステージで発表するこの催しは昭和50年に始まった▼奈良から全国へ飛び散ったわたぼうし(綿毛)の種は会津若松市でも花開いた。それが「会津わたぼうし芸術祭」。大和田新さんを司会に平成23年まで30回にわたって繰り広げられ、いわき市からも毎年多くの参加者がいたので何度か観覧した▼今から30年ほど前。その取材の中で豊間の療養所にいた大関小夜子さんという脳性まひの女性を知り、初めて重度障がいを負ってもなお前向きに生きようとする姿を目の当たりにした。希望に満ちた彼女の詩とメロディーは今も耳に残っている。

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