富田望生という名前が挙がったのは『市長とふれあいトーク』の席だ▼NHK連続テレビ小説『なつぞら』では主人公の高校時代からの親友、『教場』では教官に思いを寄せながら実家の旅館を継ぐため警察学校を辞める生徒、映画『チア☆ダン』では高校のチアリーダー部員を演じた▼21歳。小学校5年生のとき被災して東京へ移った。目標を見つけられないでいた中、役者募集の広告を見た。舞台版『フラガール』では静ちゃんと同じ役を演じ、震災10年の今年は被災地の復興と被災者の心の再生を描いたドラマにも出演した▼トークに出席した1人が「ぜひ、いわきのPRにこの子を起用してほしい」と提案した。清水市長は富田さんが15歳のとき映画デビューの表敬訪問を受けている。素朴で控えめながら、でもひたむきで、芯の強い女性という好感度に加え、小柄でぽっちゃり体形をした親しみやすさがある。いわきをPRするにうってつけのイメージではないか。
片隅抄