野球は記録のスポーツと言われる。試合での一球一球が克明にスコアブックに記され、それが毎年積み重なって野球史となり、後世に語り継がれていく▼昭和46年から48年まで高校球界を席巻した栃木・作新学院の江川卓投手は、夏の地区予選で超人的な記録を残している。1年生で完全試合を達成すると、2年生では初戦から3試合連続ノーヒット・ノーラン(完全試合1を含む)、敗れた準決勝も10回2死まで無安打だった。優勝した3年生のときは5試合(ノーヒット・ノーラン3)で被安打2。〝怪物〟と恐れられた▼本県でも超人的な記録がある。15打者連続を含む1試合奪三振26、星稜・松井秀喜を上回る連続敬遠四球6、5イニングで46得点など。日大東北、学法石川、聖光学院による決勝戦9回の攻防も語り草になっている▼有観客で、2年ぶりに甲子園へつながる福島大会が開かれている。見る人がいてこそプレーにも熱がこもる。どんな記録が生まれるか。