子供の頃、夏休み中に、波が高くなって危ないからと言って、海には連れて行ってもらえなくなる時期があった。ちょうど七夕祭りが終わったあたりからお盆にかけての時期だ▼遥か遠く南太平洋上で発生する台風の影響で波が高くなるのだが、漁師の間ではそれを「土用波」といっていたそうだ。子供の頃は「土用」を「土曜」だと思い込む勘違いをしていたことが懐かしい▼その台風は、秋にかけて日本列島に近づくのが一般的とされていた。しかし最近その方程式が崩れる様相を示し始めている。今年も季節外れの台風で西日本は大災害に見舞われた▼地球温暖化による海水温の上昇が引き金になっていることは間違いない。日本も亜熱帯化に進んでいると言っても過言ではなさそうだ。世界も排出二酸化炭素削減の道に進んでいるが、近代化に相反する行動に障害も多い。発展も重要だが、我々は孫子の代に明るい未来を提供する義務があることを忘れてはならない。
片隅抄