師走に入り酒を飲みに街に出る機会も増え、先日は2次会に老舗のバーに立ち寄った。顔なじみになっているこの店で主に飲む酒はウイスキー。今ではハイボールが主流だが、極上のシングルモルトを飲むときもある▼この日もマスターおすすめのシングルモルトを飲むことになった。これまた極上のチーズと、マスターの酒に関するうんちくが酒を引き立てる。そんな話を聞いていた時ふと、高校の同級生のことを思い出した▼酒屋の息子だから酒に詳しいのは当たり前。ただその風貌からしたらワインやウイスキーに詳しいなんて想像もつかない飾りっ気のない男だった。過去形なのには理由がある。もう20年近く前のことだが、配達の帰り事故で亡くなったのだ▼彼と酒を飲むと決まってそのうんちくが始まり趣味の音楽と車の話が相まって朝まで続いたこともあった。喧嘩をし、口も利かない時もあったが、何でも分かり合える友達だった。一緒に飲めないのが残念だ。