世界保健機関(WHO)は、2020年1月30日に発表した新型コロナに関する「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を終了すると表明した▼ロイターは宣言から3年3カ月余続き、公式発表では700万人、実際には2千万人に達するほどの死者が出たパンデミック(世界的大流行)について「終焉に向けた大きな一歩」と報道。国内の一部では「平時に戻った」との表現で発表を報じる動きもあるが、テドロス事務局長は「脅威が終わった訳ではない」と警戒を続けるよう訴えている▼ただ海外報道をご覧の通り、欧州の主要各国では多くの国民がマスクを着用していない。アジア諸国でも減少傾向にあるというが、日本だけが突出している。〝同調圧力〟という言葉だけでは片付けられない、歴史的背景を考慮する必要性がありそうだ▼きょうから感染症法上の分類が5類に引き下げられた。マスク着用は今後どうなるのか。抄子は、菊池寛の「マスク」を参考としたい。