「サポーターの皆さんには苦しい中で、逆に励まされてきた。練習にも来ていただき、『頑張れよ』と常に声をかけてくれた」。いつも通り穏やかな口調ながらも、どこか充実した表情で語ってくれたのは、いわきFCの村主博正監督だ。ここ最近は試合後会見で、悔しさをにじませていただけに、取材する側としてもうれしかった▼平日のナイトゲームとあって、クラブ関係者はチケットの売れ行きが見通せないと明かしていたが、ふたを開けてみれば、日曜だった前節を上回る2793人が足を運んだ。新たな観戦文化が根付いていると実感した▼大宮戦では、MF宮本をサイドバックで起用したり、DF芳賀をボランチで初スタメンとするなど、チーム事情が厳しくとも手にした勝ち点3。誰が出ても勝ちに行く姿勢こそが、いわきFCの真骨頂だ▼まだまだ降格圏にとどまるが、ひとまず最下位は脱出した。次は3日後の日曜日。大宮戦が起爆剤となることを期待する。
片隅抄