築地の水産関係者99%が「常磐ものはおいしい」と答えた――。大手広告代理店・電通が2015年、かつての東京・築地市場で行った調査の結果だ。一線の目利きたちが評価するとあって、いわき市の水産物ブランド・常磐もののおいしさは他の土地にも負けない。ふるさとの誇りと言える▼東京電力福島第一原発で発生する処理水の海洋放出が決定以降、返礼品の常磐ものを通じて、いわき市に対するふるさと納税が大きな伸びを見せており、15日間で1億円を突破した。市の担当者によると、常磐もの、常磐沖と付いている商品が特に人気という▼まさにチャンスではなかろうか。そもそも原発事故を契機に、県産水産物の安全性は世界一だと思っている。海洋放出を逆手にとって、このおいしさをアピールする絶好の機会と考える▼SNSを広げれば、いまだに誤った情報が拡散されている。おいしさは風評に勝ることを、われわれの業界も積極的に示す責務がある。
片隅抄