本紙21日付1面に四倉町にブラジリアン柔術の団体が発足したことが紹介された。大正時代、ひとりの日本人柔道家がブラジルで広めた格闘技とあるが、その人物はコンデ・コマであろう。ファンならご存じと思うが後年、その伝統を継ぐグレーシー一族が日本マットを席巻した▼翻って昭和29年12月22日、実力日本一をかけた力道山対木村政彦の決戦が蔵前国技館で行われた。この伝説の一戦については、今でもさまざまな裏事情が見え隠れしている。結果だけなら相撲出身の力道山が柔道の神様木村をストレートで打ち破っている▼この試合は映像で残っているが、力道山の殴る蹴るのラッシュはすさまじく、なすすべもなくマットに崩れ落ちた木村の姿があまりに痛々しい。のちにブラジルに渡った木村は現地でグレイシー一族の長と対戦、これを破っている▼血なまぐさい裏面とは別に、明るくスポーツライクな競技として青少年育成につながれはよいと思う。