日本人が忘れかけている豊かな自然を再現した。自然体験が不足している子どもたちにぜひ訪れて欲しい▼2015(平成27)年、ふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」に、新たな屋外展示施設「わくわく里山・縄文の里」が生まれた。国内最大規模のユーラシアカワウソ展示水槽を軸に、国内の在来種が共生できるような環境づくりにこだわった。自然の循環を考え命の営みを考える。水族館の枠組みにとらわれない同館らしい取り組みだろう▼冒頭の言葉は、名誉館長に退いた、創設者の安部義孝氏がオープンの際に披露したあいさつだ。震災や原発事故、近代化に伴う自然環境の劣化に警鐘を鳴らす象徴として、自然との共生、多種多様な生きものが織りなす命の営みなどを発信していく場にしたい、と。自身の集大成と位置付けていた▼同館は25周年を機に、同里をリニューアルするという。根幹を忘れず、より来館者目線で質の高い里山を創造してほしい。